第一章:高橋是清の青春
第二章:欧米列強の特許制度
第三章:明治前発明家伝
第四章:明治十八年特許法の誕生
第五章:明治前期発明家伝
第六章:不平等条約と特許法
第七章:明治中後期発明家伝
第八章:大正〜昭和初期発明家伝
第九章:戦中〜昭和五十年代発明家伝
第十章:昭和の終わりから平成まで
大正〜昭和初期発明家伝17
[承前]
問題の『チュードル社』は異議を申し立ててきたが、まったく性能が違うので、昭和五年までかけて争ったのち、その異議は却下され、ドイツ特許は成立した。
世界最高の鉛粉技術を持っていたドイツでもついに、源藏の発明が認められたのだ。
ドイツのあと、イタリア、チェコなど七カ国に出願して許可になった。
一方アメリカでは、まったく返事が無いので、イギリス、フランス、ドイツなどの特許を示すだけでなく、技術者が渡米して、弁理士に技術内容を説明して、ようやく特許がおりた。
おりた特許の最初は、出願が大正二年七月であり、特許が大正十五年五月である(図6・2)。
その元の日本特許は、先の一覧の03から07であった。
当時としては、ずいぶん時間がかかったことになるが、調べてみると、アメリカの弁理士が原理を理解しなかったのが遅れた原因だったと分かった。
お粗末な話である。
▽壮絶な日米訴訟合戦の始まり
こうして、なんとか外国特許も成立したが、そのあと、アメリカ企業との間で、壮絶な訴訟合戦が発生する。
それは、日本の大企業とアメリカの大企業が、アメリカ国内で特許問題で訴訟合戦を繰り広げ、最終的に日本側が勝訴した、もっとも初期の例であった。
日本の技術力が向上した証左でもあったが、島津源藏にとっては、艱難辛苦の発明道であった。
訴訟は、アメリカ企業からの特許権譲渡依頼を断ったことがその発端だった。
アメリカで特許がおりた直後に、注目した『エキサイド社』から、特許権譲渡の申し入れがあった。
『エキサイド社』は、アメリカで最大の蓄電池メーカだった。
話は進んで、百五十万円で譲渡寸前までいったが、ある人が源藏に「アメリカに売るのは国賊行為だ」と反対した。
アメリカの潜水艦など軍備に用いられるからである。
それを聞いた源藏は、旺盛な愛国心から、それもそうだと、この話を断ってしまった。
そこで、へそを曲げた『エキサイド社』が訴訟を起こしたのである。
[この項つづく]
【大正から昭和へ――憤懣と苦難のはじまり――】(この章の別の題)
000. はじめにー再開に当たって
001.八・一 日米特許戦争の勃発 蓄電池の先駆者・島津源藏の闘い
『島津製作所』の発祥
002. 上記の続き
003. 上記の続き
004. 独学で蓄電池製造を開始する
005. 上記の続き
006. 上記の続き
007. クロライド型の成功と日露戦争への大貢献
008. 上記の続き
009. 上記の続き
010. 特許/発展/危機
011. 上記の続き
012. 上記の続き
013. 世界的大発明への道
014. 上記の続き
015. 上記の続き
016. 日米特許戦争の勃発と最終勝利
017. 上記の続き
018. 上記の続き
019. 栄光の十大発明家に選ばれる
020. 上記の続き
021.八・二 電気の時代の先駆者たち
電気機械の世界的発明家 山本忠興
022. 上記の続き
023. 上記の続き
024. 上記の続き
025. 上記の続き
026. テレビ野球中継を成功させた川原田政太郎
027. 上記の続き
028. 上記の続き
029. 上記の続き
030. 上記の続き
031. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
032. 上記の続き
033. 上記の続き
034. 上記の続き
035. 上記の続き
036. 上記の続き
037. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
038. 上記の続き
039. 上記の続き
040. 上記の続き
041. 上記の続き
042. 上記の続き
043. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
044. 上記の続き
045. 上記の続き
046. 上記の続き
047. 上記の続き
048. 世界で最初にFAXを実用化した丹羽保次郎
049. 上記の続き
050. 上記の続き
051. 上記の続き
052. 上記の続き
053. 上記の続き
054. 上記の続き
055. 上記の続き
056. 世界の時計を制覇した古賀逸策
057. 上記の続き
058. 上記の続き
059. 上記の続き
060. 上記の続き
061. 電気の時代のその他の先駆者たち
062. 上記の続き
063. 上記の続き
064. 上記の続き
065.八・三 日本のお家芸を築いた磁石の「鉄人」たち
KS鋼及び新KS鋼の発明者 本多光太郎
066. 上記の続き
067. 上記の続き
068. 上記の続き
069. 上記の続き
070. 上記の続き
071. 本多光太郎が育てた弟子(一)増本量
072. 本多光太郎が育てた弟子(二)山本達治
073. MK磁石を発明した磁石の神様 三島七
074. 上記の続き
075. 上記の続き
076. 上記の続き
077. 上記の続き
078. 上記の続き
079. 上記の続き
080. 上記の続き
081. 世界を制覇したフェライトの父 武井 武
082. 上記の続き
083. 上記の続き
084. 上記の続き
085. 上記の続き
086. 上記の続き
087. 上記の続き
088. 上記の続き
089. 上記の続き
090. 上記の続き
091. 上記の続き
092. 上記の続き
093.八・四 立志伝中の発明家たち
独学で蒸気ボイラーを発明した田熊常吉
094. 上記の続き
095. 上記の続き
096. 上記の続き
097. 上記の続き
098. 上記の続き
099. 上記の続き
100. 上記の続き
101. 上記の続き
102. 上記の続き
103. 上記の続き
104. 上記の続き
105. 上記の続き
106. 明治海軍のボイラーの祖 宮原二郎
107. 上記の続き
108. 上記の続き
109. 上記の続き
110. ワープロの祖 和文タイプを創った杉本京太
111. 上記の続き
112. 上記の続き
113. 上記の続き
114. 上記の続き
115. 上記の続き
116. 地下足袋を発明して ブヂリストンの祖の一人となった石橋徳次郎
117. 上記の続き
118. 上記の続き
119. 上記の続き
120. 写真植字機を発明して 世界の印刷界に革命をおこした森澤信夫
121. 上記の続き
122. 上記の続き
123. 上記の続き
124. 上記の続き
125. 上記の続き
126. 上記の続き
127. 上記の続き
128. 写植用書体の創造で日本の印刷文字を一新した石井茂吉
129. 上記の続き
130. 上記の続き
131. レジとカメラの国産化に貢献した間宮精一
132. 上記の続き
133. 上記の続き
134. 上記の続き
135. 上記の続き
136. 曲面印刷の鬼 箱木一郎
137. 上記の続き
138. 上記の続き
139. 上記の続き
140. その他の立志伝中の発明家たち
▽シャープペンシルを発明して企業家になった早川次
141. 上記の続き
142. 上記の続き
143. 上記の続き
144. ▽地下鉄の父 早川次
145. 上記の続き
146. ▽「カルピス」を発明した三島海雲
147. 上記の続き
148. 上記の続き
149. ▽タイガー計算機の生みの親 大本寅治郎
150. 上記の続き
151. ▽オフセット印刷機の開発者 濱田初次郎
152. 上記の続き
153. 上記の続き
154. ▽異能の発明家 星一
155. 上記の続き
156. ▽地中海でも活躍したスキューバの先駆者 大串岩雄
157. ▽世界のヘリコプター史に残る発明をした大西唯次
158. 上記の続き
159. 上記の続き
160.八・五 その他の立志伝中の発明家たち
名君であられた昭和天皇
161. 上記の続き
162. 第一回十大発明家
163. 上記の続き
164. 第二回十大発明家
165. 上記の続き
166. 上記の続き
167. 上記の続き
168. 上記の続き
169. 上記の続き
170. 日本特許制度百年記念の十大発明家
171.八・六 明治末から大正期にかけての特許法と実用新案法の内容
《大正十年特許法》の要点
172. 上記の続き
173. 上記の続き
174. 上記の続き
175. 上記の続き
176. 《大正十年実用新案法》の要点
177.八・七 工業所有権の有事法問題
スパイ天国と化した日本
178. 軍事上重要な発明の拒絶・制限・収用(甲)
179. 上記の続き
180. 戦時における敵国特許や敵国からの出願に対する措置(乙)
181. 上記の続き
182. 軍事上重要な発明を秘密にする為の措置(丙)
183. 秘密特許の実態と現在の企業の苦心
184. 諸外国における秘密特許の制度
185. 上記の続き
186. 上記の続き
187. 上記の続き
188. 関東大震災への対処と影響
189.八・八 高橋是清の死と高峰讓吉の死 ――過ぎ去った先駆者の時代――
高橋是清のその後の活躍
190. 上記の続き
191. 上記の続き
192. 上記の続き
193. 上記の続き
194. 高峰讓吉のその後の活躍
195. 上記の続き
196. 上記の続き
197. 上記の続き
198. 上記の続き
199. 上記の続き
200. 上記の続き
201. 上記の続き
202. 上記の続き
203. 上記の続き