第一章:高橋是清の青春
第二章:欧米列強の特許制度
第三章:明治前発明家伝
第四章:明治十八年特許法の誕生
第五章:明治前期発明家伝
第六章:不平等条約と特許法
第七章:明治中後期発明家伝
第八章:大正〜昭和初期発明家伝
第九章:戦中〜昭和五十年代発明家伝
第十章:昭和の終わりから平成まで
大正〜昭和初期発明家伝36
[承前]
▽十大発明家としての業績紹介
第二回十大発明家に選ばれた理由の業績紹介を『発明年鑑』から引用しておく。
安藤 博
明治三十七年九月二十五日生
〔經歴〕
大正十五年早稻田大學理工學部電氣工學科第二分科無線工學の聽講課程を終了した。而して同大學に就學したる年即ち大正十一年遞信省より本邦最初の私設無線電信電話設置の許可を與へられ無線通信及「テレビジヨン」等の研究に從事し特許第八〇九四八號外九十件の特許發明及七十餘件の實用新案を完成し昭和四年帝國發明協會より大賞、同十三年進歩賞を授與せられてゐる。尚昭和十三年財團法人安藤研究所を創立し其の理事長に就任して今日に至つてゐる。
〔主なる發明の要旨〕
(イ) 特許第八〇九四八號
多極眞空球
(ロ) 特許第七八三〇九號
多極眞空球接續装置。
本發明は「ラヂオ」等の眞空球に關する發明である。從來の眞空球は陽極、陰極及制御電極の三種の電極を有する所謂三極眞空球であるが此の眞空球に依り音響を擴大せんとするときは甚だ好ましからざる電氣振動を發生して十分音響を擴大し能はざる缺點があつたのであるが本發明は從來の三極の外に更に第四電極を設けたものであって叙上の缺點なきのみならず其の能力に於ても實に從來のものに比し數百倍するに至つたのである。此の發明に對する特許權は昭和五年七月東京電氣株式會社に讓渡せられて專ら同社に於て實施せられつゝあるのであつて今や「ラヂオ」の在る所必ず此の發明在りと謂ふも過言ではないのである。
(ハ) 特許第七八七一三號
同期檢定装置
本發明は寫眞電送装置又は「テレビジヨン」装置に於て送受兩端の装置が電送中相一致して動作しつゝありや否やを檢定する装置であつて此の發明に依り右檢定は著しく簡單となり寫眞電送又は「テレビジヨン」に一大進歩を齎らしたのである。
此の發明は昭和三年以來日本電氣株式會社がNE式寫眞電送装置に實施し海外にも輸出せられてゐるのである。
▽不幸な結末
昭和五十年二月、『安藤研究所』の実験施設から火がでて火事がおこり、不幸にも巻き込まれた安藤博は、七十二年の発明人生を終えた。
明治から昭和初期にかけての日本の技術者を調べていると、学歴もなく組織にも属していない一匹狼であるにもかかわらず、信じがたいほどの業績をあげた天才発明家が何人も見つかる。
安藤博はその代表であった。
[それにしても、あまりにも知名度が低いです。これだけの業績をあげ、教科書に載ってもおかしくない偉人なのに、残念です。もし仮にこの人が有名大学の教授だったら、もっとずっと知名度が上がっていたでしょう。文化勲章を贈られていたでしょう]
[この項おわり]
[この節つづく]
【大正から昭和へ――憤懣と苦難のはじまり――】(この章の別の題)
000. はじめにー再開に当たって
001.八・一 日米特許戦争の勃発 蓄電池の先駆者・島津源藏の闘い
『島津製作所』の発祥
002. 上記の続き
003. 上記の続き
004. 独学で蓄電池製造を開始する
005. 上記の続き
006. 上記の続き
007. クロライド型の成功と日露戦争への大貢献
008. 上記の続き
009. 上記の続き
010. 特許/発展/危機
011. 上記の続き
012. 上記の続き
013. 世界的大発明への道
014. 上記の続き
015. 上記の続き
016. 日米特許戦争の勃発と最終勝利
017. 上記の続き
018. 上記の続き
019. 栄光の十大発明家に選ばれる
020. 上記の続き
021.八・二 電気の時代の先駆者たち
電気機械の世界的発明家 山本忠興
022. 上記の続き
023. 上記の続き
024. 上記の続き
025. 上記の続き
026. テレビ野球中継を成功させた川原田政太郎
027. 上記の続き
028. 上記の続き
029. 上記の続き
030. 上記の続き
031. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
032. 上記の続き
033. 上記の続き
034. 上記の続き
035. 上記の続き
036. 上記の続き
037. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
038. 上記の続き
039. 上記の続き
040. 上記の続き
041. 上記の続き
042. 上記の続き
043. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
044. 上記の続き
045. 上記の続き
046. 上記の続き
047. 上記の続き
048. 世界で最初にFAXを実用化した丹羽保次郎
049. 上記の続き
050. 上記の続き
051. 上記の続き
052. 上記の続き
053. 上記の続き
054. 上記の続き
055. 上記の続き
056. 世界の時計を制覇した古賀逸策
057. 上記の続き
058. 上記の続き
059. 上記の続き
060. 上記の続き
061. 電気の時代のその他の先駆者たち
062. 上記の続き
063. 上記の続き
064. 上記の続き
065.八・三 日本のお家芸を築いた磁石の「鉄人」たち
KS鋼及び新KS鋼の発明者 本多光太郎
066. 上記の続き
067. 上記の続き
068. 上記の続き
069. 上記の続き
070. 上記の続き
071. 本多光太郎が育てた弟子(一)増本量
072. 本多光太郎が育てた弟子(二)山本達治
073. MK磁石を発明した磁石の神様 三島七
074. 上記の続き
075. 上記の続き
076. 上記の続き
077. 上記の続き
078. 上記の続き
079. 上記の続き
080. 上記の続き
081. 世界を制覇したフェライトの父 武井 武
082. 上記の続き
083. 上記の続き
084. 上記の続き
085. 上記の続き
086. 上記の続き
087. 上記の続き
088. 上記の続き
089. 上記の続き
090. 上記の続き
091. 上記の続き
092. 上記の続き
093.八・四 立志伝中の発明家たち
独学で蒸気ボイラーを発明した田熊常吉
094. 上記の続き
095. 上記の続き
096. 上記の続き
097. 上記の続き
098. 上記の続き
099. 上記の続き
100. 上記の続き
101. 上記の続き
102. 上記の続き
103. 上記の続き
104. 上記の続き
105. 上記の続き
106. 明治海軍のボイラーの祖 宮原二郎
107. 上記の続き
108. 上記の続き
109. 上記の続き
110. ワープロの祖 和文タイプを創った杉本京太
111. 上記の続き
112. 上記の続き
113. 上記の続き
114. 上記の続き
115. 上記の続き
116. 地下足袋を発明して ブヂリストンの祖の一人となった石橋徳次郎
117. 上記の続き
118. 上記の続き
119. 上記の続き
120. 写真植字機を発明して 世界の印刷界に革命をおこした森澤信夫
121. 上記の続き
122. 上記の続き
123. 上記の続き
124. 上記の続き
125. 上記の続き
126. 上記の続き
127. 上記の続き
128. 写植用書体の創造で日本の印刷文字を一新した石井茂吉
129. 上記の続き
130. 上記の続き
131. レジとカメラの国産化に貢献した間宮精一
132. 上記の続き
133. 上記の続き
134. 上記の続き
135. 上記の続き
136. 曲面印刷の鬼 箱木一郎
137. 上記の続き
138. 上記の続き
139. 上記の続き
140. その他の立志伝中の発明家たち
▽シャープペンシルを発明して企業家になった早川次
141. 上記の続き
142. 上記の続き
143. 上記の続き
144. ▽地下鉄の父 早川次
145. 上記の続き
146. ▽「カルピス」を発明した三島海雲
147. 上記の続き
148. 上記の続き
149. ▽タイガー計算機の生みの親 大本寅治郎
150. 上記の続き
151. ▽オフセット印刷機の開発者 濱田初次郎
152. 上記の続き
153. 上記の続き
154. ▽異能の発明家 星一
155. 上記の続き
156. ▽地中海でも活躍したスキューバの先駆者 大串岩雄
157. ▽世界のヘリコプター史に残る発明をした大西唯次
158. 上記の続き
159. 上記の続き
160.八・五 その他の立志伝中の発明家たち
名君であられた昭和天皇
161. 上記の続き
162. 第一回十大発明家
163. 上記の続き
164. 第二回十大発明家
165. 上記の続き
166. 上記の続き
167. 上記の続き
168. 上記の続き
169. 上記の続き
170. 日本特許制度百年記念の十大発明家
171.八・六 明治末から大正期にかけての特許法と実用新案法の内容
《大正十年特許法》の要点
172. 上記の続き
173. 上記の続き
174. 上記の続き
175. 上記の続き
176. 《大正十年実用新案法》の要点
177.八・七 工業所有権の有事法問題
スパイ天国と化した日本
178. 軍事上重要な発明の拒絶・制限・収用(甲)
179. 上記の続き
180. 戦時における敵国特許や敵国からの出願に対する措置(乙)
181. 上記の続き
182. 軍事上重要な発明を秘密にする為の措置(丙)
183. 秘密特許の実態と現在の企業の苦心
184. 諸外国における秘密特許の制度
185. 上記の続き
186. 上記の続き
187. 上記の続き
188. 関東大震災への対処と影響
189.八・八 高橋是清の死と高峰讓吉の死 ――過ぎ去った先駆者の時代――
高橋是清のその後の活躍
190. 上記の続き
191. 上記の続き
192. 上記の続き
193. 上記の続き
194. 高峰讓吉のその後の活躍
195. 上記の続き
196. 上記の続き
197. 上記の続き
198. 上記の続き
199. 上記の続き
200. 上記の続き
201. 上記の続き
202. 上記の続き
203. 上記の続き