第一章:高橋是清の青春
第二章:欧米列強の特許制度
第三章:明治前発明家伝
第四章:明治十八年特許法の誕生
第五章:明治前期発明家伝
第六章:不平等条約と特許法
第七章:明治中後期発明家伝
第八章:大正〜昭和初期発明家伝
第九章:戦中〜昭和五十年代発明家伝
第十章:昭和の終わりから平成まで
大正〜昭和初期発明家伝49
[承前]
◇大正十三年(一九二四年/三十一歳)
電気試験所で活躍していた大正十二年の九月、大事件が起こった。
関東大震災である。
丹羽自身は幸い無事だったが、当時の日本を代表する電気系企業だった『日本電気』は大きな被害をうけ、技術の中心だった技術部長が没してしまった。
困った『日本電気』では、震災後の復興を担ってくれる技術部長の後継者として丹羽に眼をつけ、震災の翌年の大正十三年に招聘した。
『日本電気』は、明治三十二年の不平等条約解消のための法律改正によって、アメリカの『WE社(ウエスタン・エレクトリック社)』と日本企業との合弁が成立してできた企業であり、したがって技術面では『WE社』が開発した技術で製造するのが主な仕事であった。
しかし招聘された丹羽保次郎は、この現状に不満をもち、東京大学の後輩をはじめ優秀な大学卒業生を毎年数人採用するよう主張してこれを実現させた。
さらに一年間アメリカのベル研究所に滞在して世界の技術情勢を視察し、研究テーマを探った。
そして、主要なテーマとして、FAXを選んだ。
当時は、「写真電送」と呼ばれていた。
◇昭和三年(一九二八年/三十五歳)
この年の十一月に、昭和天皇の即位の式典が、京都でおこなわれた。
これは日本として最大の行事であり、その模様を京都から大阪や東京にどのようにして速報するかが、新聞社や通信社の最大の課題になっていた。
FAXが無い時代(むろんテレビもない時代)の写真の速報は、列車・飛行機・船などによる運搬だったが、京都から東京まで運ぶには、たいへんな時間がかかっていた。
そこで新聞社や通信社は、ようやく試作品ができはじめていた外国のFAXを輸入して試みることにしたが、そこに開発したばかりの丹羽保次郎たちのFAX「NE式写真電送」が割ってはいり、最大の性能を発揮し、世界に勇名を馳せたのである。
その技術的側面を、つぎに述べよう。
[この項つづく]
【大正から昭和へ――憤懣と苦難のはじまり――】(この章の別の題)
000. はじめにー再開に当たって
001.八・一 日米特許戦争の勃発 蓄電池の先駆者・島津源藏の闘い
『島津製作所』の発祥
002. 上記の続き
003. 上記の続き
004. 独学で蓄電池製造を開始する
005. 上記の続き
006. 上記の続き
007. クロライド型の成功と日露戦争への大貢献
008. 上記の続き
009. 上記の続き
010. 特許/発展/危機
011. 上記の続き
012. 上記の続き
013. 世界的大発明への道
014. 上記の続き
015. 上記の続き
016. 日米特許戦争の勃発と最終勝利
017. 上記の続き
018. 上記の続き
019. 栄光の十大発明家に選ばれる
020. 上記の続き
021.八・二 電気の時代の先駆者たち
電気機械の世界的発明家 山本忠興
022. 上記の続き
023. 上記の続き
024. 上記の続き
025. 上記の続き
026. テレビ野球中継を成功させた川原田政太郎
027. 上記の続き
028. 上記の続き
029. 上記の続き
030. 上記の続き
031. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
032. 上記の続き
033. 上記の続き
034. 上記の続き
035. 上記の続き
036. 上記の続き
037. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
038. 上記の続き
039. 上記の続き
040. 上記の続き
041. 上記の続き
042. 上記の続き
043. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
044. 上記の続き
045. 上記の続き
046. 上記の続き
047. 上記の続き
048. 世界で最初にFAXを実用化した丹羽保次郎
049. 上記の続き
050. 上記の続き
051. 上記の続き
052. 上記の続き
053. 上記の続き
054. 上記の続き
055. 上記の続き
056. 世界の時計を制覇した古賀逸策
057. 上記の続き
058. 上記の続き
059. 上記の続き
060. 上記の続き
061. 電気の時代のその他の先駆者たち
062. 上記の続き
063. 上記の続き
064. 上記の続き
065.八・三 日本のお家芸を築いた磁石の「鉄人」たち
KS鋼及び新KS鋼の発明者 本多光太郎
066. 上記の続き
067. 上記の続き
068. 上記の続き
069. 上記の続き
070. 上記の続き
071. 本多光太郎が育てた弟子(一)増本量
072. 本多光太郎が育てた弟子(二)山本達治
073. MK磁石を発明した磁石の神様 三島七
074. 上記の続き
075. 上記の続き
076. 上記の続き
077. 上記の続き
078. 上記の続き
079. 上記の続き
080. 上記の続き
081. 世界を制覇したフェライトの父 武井 武
082. 上記の続き
083. 上記の続き
084. 上記の続き
085. 上記の続き
086. 上記の続き
087. 上記の続き
088. 上記の続き
089. 上記の続き
090. 上記の続き
091. 上記の続き
092. 上記の続き
093.八・四 立志伝中の発明家たち
独学で蒸気ボイラーを発明した田熊常吉
094. 上記の続き
095. 上記の続き
096. 上記の続き
097. 上記の続き
098. 上記の続き
099. 上記の続き
100. 上記の続き
101. 上記の続き
102. 上記の続き
103. 上記の続き
104. 上記の続き
105. 上記の続き
106. 明治海軍のボイラーの祖 宮原二郎
107. 上記の続き
108. 上記の続き
109. 上記の続き
110. ワープロの祖 和文タイプを創った杉本京太
111. 上記の続き
112. 上記の続き
113. 上記の続き
114. 上記の続き
115. 上記の続き
116. 地下足袋を発明して ブヂリストンの祖の一人となった石橋徳次郎
117. 上記の続き
118. 上記の続き
119. 上記の続き
120. 写真植字機を発明して 世界の印刷界に革命をおこした森澤信夫
121. 上記の続き
122. 上記の続き
123. 上記の続き
124. 上記の続き
125. 上記の続き
126. 上記の続き
127. 上記の続き
128. 写植用書体の創造で日本の印刷文字を一新した石井茂吉
129. 上記の続き
130. 上記の続き
131. レジとカメラの国産化に貢献した間宮精一
132. 上記の続き
133. 上記の続き
134. 上記の続き
135. 上記の続き
136. 曲面印刷の鬼 箱木一郎
137. 上記の続き
138. 上記の続き
139. 上記の続き
140. その他の立志伝中の発明家たち
▽シャープペンシルを発明して企業家になった早川次
141. 上記の続き
142. 上記の続き
143. 上記の続き
144. ▽地下鉄の父 早川次
145. 上記の続き
146. ▽「カルピス」を発明した三島海雲
147. 上記の続き
148. 上記の続き
149. ▽タイガー計算機の生みの親 大本寅治郎
150. 上記の続き
151. ▽オフセット印刷機の開発者 濱田初次郎
152. 上記の続き
153. 上記の続き
154. ▽異能の発明家 星一
155. 上記の続き
156. ▽地中海でも活躍したスキューバの先駆者 大串岩雄
157. ▽世界のヘリコプター史に残る発明をした大西唯次
158. 上記の続き
159. 上記の続き
160.八・五 その他の立志伝中の発明家たち
名君であられた昭和天皇
161. 上記の続き
162. 第一回十大発明家
163. 上記の続き
164. 第二回十大発明家
165. 上記の続き
166. 上記の続き
167. 上記の続き
168. 上記の続き
169. 上記の続き
170. 日本特許制度百年記念の十大発明家
171.八・六 明治末から大正期にかけての特許法と実用新案法の内容
《大正十年特許法》の要点
172. 上記の続き
173. 上記の続き
174. 上記の続き
175. 上記の続き
176. 《大正十年実用新案法》の要点
177.八・七 工業所有権の有事法問題
スパイ天国と化した日本
178. 軍事上重要な発明の拒絶・制限・収用(甲)
179. 上記の続き
180. 戦時における敵国特許や敵国からの出願に対する措置(乙)
181. 上記の続き
182. 軍事上重要な発明を秘密にする為の措置(丙)
183. 秘密特許の実態と現在の企業の苦心
184. 諸外国における秘密特許の制度
185. 上記の続き
186. 上記の続き
187. 上記の続き
188. 関東大震災への対処と影響
189.八・八 高橋是清の死と高峰讓吉の死 ――過ぎ去った先駆者の時代――
高橋是清のその後の活躍
190. 上記の続き
191. 上記の続き
192. 上記の続き
193. 上記の続き
194. 高峰讓吉のその後の活躍
195. 上記の続き
196. 上記の続き
197. 上記の続き
198. 上記の続き
199. 上記の続き
200. 上記の続き
201. 上記の続き
202. 上記の続き
203. 上記の続き