第一章:高橋是清の青春
第二章:欧米列強の特許制度
第三章:明治前発明家伝
第四章:明治十八年特許法の誕生
第五章:明治前期発明家伝
第六章:不平等条約と特許法
第七章:明治中後期発明家伝
第八章:大正〜昭和初期発明家伝
第九章:戦中〜昭和五十年代発明家伝
第十章:昭和の終わりから平成まで
大正〜昭和初期発明家伝50
[承前]
▽世界のFAX情勢
丹羽保次郎たちが開発を始めた昭和元年前後の世界の研究状況は、以下のようなものであった。
○アメリカ
ベル電話研究所で大正十四年に試作したが、内容は秘密で、滞在中の丹羽も見せてもらえなかった。
○ドイツ
シーメンス式が昭和三年初めに成功したとされる。
○フランス
ベラン式が昭和三年にできかけていた。
○日本
日本電気の丹羽らの「NE式写真電送」試作成功が、昭和三年四月に学会に発表された。
このことから分かるように、丹羽保次郎らが開発を開始した大正十五年ごろは、まだ世界のどこも実用化に成功しておらず、試作すらもうまくはいっていなかった時代だった。
したがって丹羽は独自の開発をおこなったのだが、その開発チームの強力なメンバーとなったのが、小林正次である。
▽技術の内容と小林正次の功績
小林は東大電気で丹羽の十年後輩にあたり、優秀な大学卒を採用するという丹羽の方針で入社した第一期の人材だった。
技術者としてひじょうな才能があり、FAXに貢献したほか、数々の成果をあげ、『日本電気』社内の研究で工学博士を得た最初の社員となった。
のちには丹羽の後継者として、研究所長、取締役、技師長などを務めた。
さて、丹羽らの「写真電送」の技術の詳細を見ると、送信装置については、丹羽と小林の共同のアイディア(特許一覧のbcdegなど)がかなりあり、受信装置では、小林の卓越したアイディア(一覧のf)があったことがわかる。
また、送信と受信とで同期をとるための装置には、前に記した安藤博の特許が応用されていた。
[この項つづく]
【大正から昭和へ――憤懣と苦難のはじまり――】(この章の別の題)
000. はじめにー再開に当たって
001.八・一 日米特許戦争の勃発 蓄電池の先駆者・島津源藏の闘い
『島津製作所』の発祥
002. 上記の続き
003. 上記の続き
004. 独学で蓄電池製造を開始する
005. 上記の続き
006. 上記の続き
007. クロライド型の成功と日露戦争への大貢献
008. 上記の続き
009. 上記の続き
010. 特許/発展/危機
011. 上記の続き
012. 上記の続き
013. 世界的大発明への道
014. 上記の続き
015. 上記の続き
016. 日米特許戦争の勃発と最終勝利
017. 上記の続き
018. 上記の続き
019. 栄光の十大発明家に選ばれる
020. 上記の続き
021.八・二 電気の時代の先駆者たち
電気機械の世界的発明家 山本忠興
022. 上記の続き
023. 上記の続き
024. 上記の続き
025. 上記の続き
026. テレビ野球中継を成功させた川原田政太郎
027. 上記の続き
028. 上記の続き
029. 上記の続き
030. 上記の続き
031. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
032. 上記の続き
033. 上記の続き
034. 上記の続き
035. 上記の続き
036. 上記の続き
037. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
038. 上記の続き
039. 上記の続き
040. 上記の続き
041. 上記の続き
042. 上記の続き
043. 日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
044. 上記の続き
045. 上記の続き
046. 上記の続き
047. 上記の続き
048. 世界で最初にFAXを実用化した丹羽保次郎
049. 上記の続き
050. 上記の続き
051. 上記の続き
052. 上記の続き
053. 上記の続き
054. 上記の続き
055. 上記の続き
056. 世界の時計を制覇した古賀逸策
057. 上記の続き
058. 上記の続き
059. 上記の続き
060. 上記の続き
061. 電気の時代のその他の先駆者たち
062. 上記の続き
063. 上記の続き
064. 上記の続き
065.八・三 日本のお家芸を築いた磁石の「鉄人」たち
KS鋼及び新KS鋼の発明者 本多光太郎
066. 上記の続き
067. 上記の続き
068. 上記の続き
069. 上記の続き
070. 上記の続き
071. 本多光太郎が育てた弟子(一)増本量
072. 本多光太郎が育てた弟子(二)山本達治
073. MK磁石を発明した磁石の神様 三島七
074. 上記の続き
075. 上記の続き
076. 上記の続き
077. 上記の続き
078. 上記の続き
079. 上記の続き
080. 上記の続き
081. 世界を制覇したフェライトの父 武井 武
082. 上記の続き
083. 上記の続き
084. 上記の続き
085. 上記の続き
086. 上記の続き
087. 上記の続き
088. 上記の続き
089. 上記の続き
090. 上記の続き
091. 上記の続き
092. 上記の続き
093.八・四 立志伝中の発明家たち
独学で蒸気ボイラーを発明した田熊常吉
094. 上記の続き
095. 上記の続き
096. 上記の続き
097. 上記の続き
098. 上記の続き
099. 上記の続き
100. 上記の続き
101. 上記の続き
102. 上記の続き
103. 上記の続き
104. 上記の続き
105. 上記の続き
106. 明治海軍のボイラーの祖 宮原二郎
107. 上記の続き
108. 上記の続き
109. 上記の続き
110. ワープロの祖 和文タイプを創った杉本京太
111. 上記の続き
112. 上記の続き
113. 上記の続き
114. 上記の続き
115. 上記の続き
116. 地下足袋を発明して ブヂリストンの祖の一人となった石橋徳次郎
117. 上記の続き
118. 上記の続き
119. 上記の続き
120. 写真植字機を発明して 世界の印刷界に革命をおこした森澤信夫
121. 上記の続き
122. 上記の続き
123. 上記の続き
124. 上記の続き
125. 上記の続き
126. 上記の続き
127. 上記の続き
128. 写植用書体の創造で日本の印刷文字を一新した石井茂吉
129. 上記の続き
130. 上記の続き
131. レジとカメラの国産化に貢献した間宮精一
132. 上記の続き
133. 上記の続き
134. 上記の続き
135. 上記の続き
136. 曲面印刷の鬼 箱木一郎
137. 上記の続き
138. 上記の続き
139. 上記の続き
140. その他の立志伝中の発明家たち
▽シャープペンシルを発明して企業家になった早川次
141. 上記の続き
142. 上記の続き
143. 上記の続き
144. ▽地下鉄の父 早川次
145. 上記の続き
146. ▽「カルピス」を発明した三島海雲
147. 上記の続き
148. 上記の続き
149. ▽タイガー計算機の生みの親 大本寅治郎
150. 上記の続き
151. ▽オフセット印刷機の開発者 濱田初次郎
152. 上記の続き
153. 上記の続き
154. ▽異能の発明家 星一
155. 上記の続き
156. ▽地中海でも活躍したスキューバの先駆者 大串岩雄
157. ▽世界のヘリコプター史に残る発明をした大西唯次
158. 上記の続き
159. 上記の続き
160.八・五 その他の立志伝中の発明家たち
名君であられた昭和天皇
161. 上記の続き
162. 第一回十大発明家
163. 上記の続き
164. 第二回十大発明家
165. 上記の続き
166. 上記の続き
167. 上記の続き
168. 上記の続き
169. 上記の続き
170. 日本特許制度百年記念の十大発明家
171.八・六 明治末から大正期にかけての特許法と実用新案法の内容
《大正十年特許法》の要点
172. 上記の続き
173. 上記の続き
174. 上記の続き
175. 上記の続き
176. 《大正十年実用新案法》の要点
177.八・七 工業所有権の有事法問題
スパイ天国と化した日本
178. 軍事上重要な発明の拒絶・制限・収用(甲)
179. 上記の続き
180. 戦時における敵国特許や敵国からの出願に対する措置(乙)
181. 上記の続き
182. 軍事上重要な発明を秘密にする為の措置(丙)
183. 秘密特許の実態と現在の企業の苦心
184. 諸外国における秘密特許の制度
185. 上記の続き
186. 上記の続き
187. 上記の続き
188. 関東大震災への対処と影響
189.八・八 高橋是清の死と高峰讓吉の死 ――過ぎ去った先駆者の時代――
高橋是清のその後の活躍
190. 上記の続き
191. 上記の続き
192. 上記の続き
193. 上記の続き
194. 高峰讓吉のその後の活躍
195. 上記の続き
196. 上記の続き
197. 上記の続き
198. 上記の続き
199. 上記の続き
200. 上記の続き
201. 上記の続き
202. 上記の続き
203. 上記の続き