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INDEX

大正〜昭和初期発明家伝56

[承前]

◎世界の時計を制覇した古賀逸策
    ――第二回日本十大発明家の一人――

▽世界中で使われている日本の水晶製品

 現代の時計の大部分は、心臓部に水晶製品が使われている。
 時間を正確に刻むためには、正確な振動体が必要だが、それに水晶振動子と呼ばれる水晶製の部品が利用されているのだ。
 むかしの時計は、時々ネジを巻いて、しかも振り子を調整しないと、なかなか時間が合わなかった。
 しかしいまの時計は、水晶振動子を使っているために、何もしなくても長時間、ほとんど狂いなく時を刻んでくれる。
 正確な時間が必要なのは時計だけではない。
 パソコンにも不可欠だし、パソコンと同様な原理で動いているさまざまな電子機器でも不可欠である。
 だから、家庭で使われている数多くの電子機器のほとんどに、水晶振動子が入っているのだ。
 そしてその水晶振動子を現在のような優れた性能にすることに貢献した人物が、日本の古賀逸策である。

 水晶は工芸品の材料として綺麗なだけではなく、電気的にも不思議な結晶で、力をかけて歪ませると電圧が発生する。
 また逆に、電圧をかけると歪みが起こる。
 これを圧電効果(またはピエゾ効果)と呼んでいる。
 電気回路の中に水晶振動子を組み込むと、この圧電効果によって、機械的かつ電気的な振動を発生させることができる。
 この振動子は一九二二年(大正十一年)にアメリカのケイデイ博士が発明したが、それは周波数の測定に用いるためであった。
 その後しばらくしてピアス博士が、これを真空管回路に組み込むと、電気的な振動が発生でき、無線通信に応用できる事を見いだした。

 このピアス博士の研究は画期的なものではあったが、まだ実用にはほど遠い性能だった。
 この水晶振動子が実用的になるためには、つぎのような課題を克服する必要があった。

[この項つづく]

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第八章INDEX

【大正から昭和へ――憤懣と苦難のはじまり――】(この章の別の題)
000.    はじめにー再開に当たって
001.八・一 日米特許戦争の勃発 蓄電池の先駆者・島津源藏の闘い
       『島津製作所』の発祥
002.      上記の続き
003.      上記の続き
004.    独学で蓄電池製造を開始する
005.      上記の続き
006.      上記の続き
007.    クロライド型の成功と日露戦争への大貢献
008.      上記の続き
009.      上記の続き
010.    特許/発展/危機
011.      上記の続き
012.      上記の続き
013.    世界的大発明への道
014.      上記の続き
015.      上記の続き
016.    日米特許戦争の勃発と最終勝利
017.      上記の続き
018.      上記の続き
019.    栄光の十大発明家に選ばれる
020.      上記の続き
021.八・二 電気の時代の先駆者たち
       電気機械の世界的発明家 山本忠興
022.      上記の続き
023.      上記の続き
024.      上記の続き
025.      上記の続き
026.    テレビ野球中継を成功させた川原田政太郎
027.      上記の続き
028.      上記の続き
029.      上記の続き
030.      上記の続き
031.    日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
032.      上記の続き
033.      上記の続き
034.      上記の続き
035.      上記の続き
036.      上記の続き
037.    日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
038.      上記の続き
039.      上記の続き
040.      上記の続き
041.      上記の続き
042.      上記の続き
043.    日本電子産業の危機を救った天才少年 安藤博
044.      上記の続き
045.      上記の続き
046.      上記の続き
047.      上記の続き
048.    世界で最初にFAXを実用化した丹羽保次郎
049.      上記の続き
050.      上記の続き
051.      上記の続き
052.      上記の続き
053.      上記の続き
054.      上記の続き
055.      上記の続き
056.    世界の時計を制覇した古賀逸策
057.      上記の続き
058.      上記の続き
059.      上記の続き
060.      上記の続き
061.    電気の時代のその他の先駆者たち
062.      上記の続き
063.      上記の続き
064.      上記の続き
065.八・三 日本のお家芸を築いた磁石の「鉄人」たち
       KS鋼及び新KS鋼の発明者 本多光太郎
066.      上記の続き
067.      上記の続き
068.      上記の続き
069.      上記の続き
070.      上記の続き
071.    本多光太郎が育てた弟子(一)増本量
072.    本多光太郎が育てた弟子(二)山本達治
073.    MK磁石を発明した磁石の神様 三島七
074.      上記の続き
075.      上記の続き
076.      上記の続き
077.      上記の続き
078.      上記の続き
079.      上記の続き
080.      上記の続き
081.    世界を制覇したフェライトの父 武井 武
082.      上記の続き
083.      上記の続き
084.      上記の続き
085.      上記の続き
086.      上記の続き
087.      上記の続き
088.      上記の続き
089.      上記の続き
090.      上記の続き
091.      上記の続き
092.      上記の続き
093.八・四 立志伝中の発明家たち
       独学で蒸気ボイラーを発明した田熊常吉
094.      上記の続き
095.      上記の続き
096.      上記の続き
097.      上記の続き
098.      上記の続き
099.      上記の続き
100.      上記の続き
101.      上記の続き
102.      上記の続き
103.      上記の続き
104.      上記の続き
105.      上記の続き
106.    明治海軍のボイラーの祖 宮原二郎
107.      上記の続き
108.      上記の続き
109.      上記の続き
110.    ワープロの祖 和文タイプを創った杉本京太
111.      上記の続き
112.      上記の続き
113.      上記の続き
114.      上記の続き
115.      上記の続き
116.    地下足袋を発明して ブヂリストンの祖の一人となった石橋徳次郎
117.      上記の続き
118.      上記の続き
119.      上記の続き
120.    写真植字機を発明して 世界の印刷界に革命をおこした森澤信夫
121.      上記の続き
122.      上記の続き
123.      上記の続き
124.      上記の続き
125.      上記の続き
126.      上記の続き
127.      上記の続き
128.    写植用書体の創造で日本の印刷文字を一新した石井茂吉
129.      上記の続き
130.      上記の続き
131.    レジとカメラの国産化に貢献した間宮精一
132.      上記の続き
133.      上記の続き
134.      上記の続き
135.      上記の続き
136.    曲面印刷の鬼 箱木一郎
137.      上記の続き
138.      上記の続き
139.      上記の続き
140.    その他の立志伝中の発明家たち
        ▽シャープペンシルを発明して企業家になった早川次
141.      上記の続き
142.      上記の続き
143.      上記の続き
144.    ▽地下鉄の父 早川次
145.      上記の続き
146.    ▽「カルピス」を発明した三島海雲
147.      上記の続き
148.      上記の続き
149.    ▽タイガー計算機の生みの親 大本寅治郎
150.      上記の続き
151.    ▽オフセット印刷機の開発者 濱田初次郎
152.      上記の続き
153.      上記の続き
154.    ▽異能の発明家 星一
155.      上記の続き
156.    ▽地中海でも活躍したスキューバの先駆者 大串岩雄
157.    ▽世界のヘリコプター史に残る発明をした大西唯次
158.      上記の続き
159.      上記の続き
160.八・五 その他の立志伝中の発明家たち
        名君であられた昭和天皇
161.      上記の続き
162.    第一回十大発明家
163.      上記の続き
164.    第二回十大発明家
165.      上記の続き
166.      上記の続き
167.      上記の続き
168.      上記の続き
169.      上記の続き
170.    日本特許制度百年記念の十大発明家
171.八・六 明治末から大正期にかけての特許法と実用新案法の内容
        《大正十年特許法》の要点
172.      上記の続き
173.      上記の続き
174.      上記の続き
175.      上記の続き
176.    《大正十年実用新案法》の要点
177.八・七 工業所有権の有事法問題
        スパイ天国と化した日本
178.    軍事上重要な発明の拒絶・制限・収用(甲)
179.      上記の続き
180.    戦時における敵国特許や敵国からの出願に対する措置(乙)
181.      上記の続き
182.    軍事上重要な発明を秘密にする為の措置(丙)
183.    秘密特許の実態と現在の企業の苦心
184.    諸外国における秘密特許の制度
185.      上記の続き
186.      上記の続き
187.      上記の続き
188.    関東大震災への対処と影響
189.八・八 高橋是清の死と高峰讓吉の死 ――過ぎ去った先駆者の時代――
        高橋是清のその後の活躍
190.      上記の続き
191.      上記の続き
192.      上記の続き
193.      上記の続き
194.    高峰讓吉のその後の活躍
195.      上記の続き
196.      上記の続き
197.      上記の続き
198.      上記の続き
199.      上記の続き
200.      上記の続き
201.      上記の続き
202.      上記の続き
203.      上記の続き


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